O157(腸管出血性大腸菌)に注意!|感染経路・症状・予防など
群馬県の感染状況
6月9日~6月15日までの腸管出血性大腸菌感染状況によると、1医療機関あたりの感染者数の前週比について、16の都道府県で増加を示しており、全国的に感染者増加の傾向が見られます。群馬県では前週比が7増加し全国ワースト1位の記録となっているため、感染しないために注意が必要です。
出典:NHKニュース
腸管出血性大腸菌(O157)とは
腸管出血性大腸菌はベロ毒素を産生し、感染症状を引き起こします。ベロ毒素は菌体外に分泌され、腸の上皮細胞などに作用し症状を起こすといわれています。
O抗原による血清型によって分けられO157、O26など番号による分類がされています。わずか50個程度の経口摂取でも発症すると考えられており、二次感染が起きやすい菌でもあります。また、この菌は酸に強い抵抗性を示すので、胃酸の中でも生き残ることができます。
夏季は気温や湿度が高くなるので、いろいろな食中毒菌が増加しやすく、感染事例が増加しますのでいつも以上の注意が必要です。
症状
主な症状は発熱、下痢、腹痛、血便などで、潜伏期間は3~5日です。軽症の時や無症状の場合もあります。また、抵抗力の弱い高齢者や乳幼児が感染すると溶血性尿毒症症候群(HUS)になり、重症化することがあります。
感染経路
主な感染経路は経口感染です。菌に汚染された食品等を摂取することにより感染します。患者の便や菌のついたものに接触後、手洗いをしなかった場合などの際、ヒトからヒトへの感染(二次感染)が起こります。
治療
水分補給、下痢に対する整腸剤の使用など、医師の判断の元、対症療法が必要です。
予防
承認されているワクチンはないので、予防するには手指衛生と食品の取り扱いが重要です。
腸管出血性大腸菌は75℃・1分間以上の加熱で死滅するので、食品は十分に加熱してから食べましょう。乳幼児、高齢者は重症事例を防止するため、生肉・加熱不十分な食肉を食べないように配慮する必要があります。また、調理後の食品は速やかに摂取すること、残して翌日に持ち越すことのないようにできるだけ食べきることも予防に有効です。
手指衛生は、調理前、調理中、食事前、トイレ使用後、排泄作業の介助後などに徹底的に行うことを意識しましょう。石けんと流水による手洗いに加え、アルコール性の擦式消毒剤を使用するのも有効です。
食環研では
食環境衛生研究所では、O157の検査が可能です。
詳しくは下記からご確認下さい。
>>腸管出血性大腸菌O157 検査項目
参考ページ
>>腸管出血性大腸菌感染症(O157など) Enterohemorrhagic Escherichia coli infection | 東京都感染症情報センター
>>【群馬県】腸管出血性大腸菌感染症の感染者数の推移・全国比較 最新ニュース|NHK
>>腸管出血性大腸菌感染症|群馬県ホームページ(衛生環境研究所)
>>腸管出血性大腸菌感染症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト