鉄細菌とは?水道の油膜と健康リスクを簡単解説
用水路や沼地などで、赤茶色の沈殿物があるのを目にしたことはありませんか?
もしかしたら、その水には「鉄細菌(鉄バクテリア)」が生息しているかもしれません。
この記事は、水道や地下水で見かける「鉄細菌(鉄バクテリア)」と、それが作る油膜・皮膜の原因や健康リスク、検査・除去方法までをわかりやすく解説するために書かれています。
一般の家庭の水道利用者から設備管理者、自治体や環境調査を検討している方まで幅広い読者を想定し、基礎知識、化学反応、実務的なチェック方法、対処法、研究の最前線までを網羅します。

鉄細菌由来の赤茶色の沈殿物
鉄細菌とは?水道で見られる鉄バクテリアの基礎知識
あまり聞きなれない細菌ですが、第一鉄あるいはその化合物を水酸化第二鉄として、菌体の内外に沈着する性状を有する細菌の総称1)で、意外と身近にいるバクテリアです。
生息域には、油膜のようなものが浮いている場合もあります。
一般に油分による油膜はつつくとまた元に戻りますが、鉄細菌由来のこの膜は分散して元に戻りません。

鉄細菌由来の膜
鉄細菌による害と健康リスクはあるの?
なお、鉄細菌自体は、健康な人に有害なものではありません。
那覇市の首里城に使われていた赤い色素は、鉄細菌に由来するものであったとの報告もあるなど、有用性もあります。
一方で、時として問題となる場合もあり、
配管内で増殖すると、赤水(サビ色の水)の原因となることがあります。
| 赤水の問題の例 |
|---|
| 異味や異臭 |
| 洗濯衣類の着色 |
| 鉄管の腐食 |
| 機器類の故障や効率低下 |
| 配管の閉塞 |
水道分野でも赤水の原因特定などのため、上水試験法で鉄細菌検査法が記載されております。
検査法は、検水を顕微鏡観察し、特徴的な形態から定性的に判定するというものです。

棒状に伸びているものが鉄細菌の鞘
食環境衛生研究所では、鉄細菌の検査を受託していますので、お気軽にお問い合わせください。
引用1)上水試験方法 2020年版 Ⅳ.微生物編