牛伝染性リンパ腫って??
家畜伝染病予防法の一部改正に伴い、家畜伝染病予防法施行令及び家畜伝染病予防法施行規則も一部を除き、令和2年7月1日から施行されました。この改正で、71種の届出伝染病のうち18種が名称変更されました。家畜伝染病予防法の一部改正に伴い、家畜伝染病予防法施行令及び家畜伝染病予防法施行規則も一部を除き、令和2年7月1日から施行されました。この改正で、71種の届出伝染病のうち18種が名称変更されました。家畜伝染病予防法の一部改正に伴い、家畜伝染病予防法施行令及び家畜伝染病予防法施行規則も一部を除き、令和2年7月1日から施行されました。この改正で、71種の届出伝染病のうち18種が名称変更されました。
さて、皆さん、「牛伝染性リンパ種」の改正前の名前お分かりですか? そうです、「牛白血病」です。「消費者が人の白血病を想起し、風評被害が起こりかねない」ということから、名前が変更されました。
本疾病は地方病型と散発型に分けられ、 前者は牛伝染性リンパ腫ウイルスの感染が原因ですが、後者については 原因不明です。地方病型は、抗体が陽転しても、ウイルスは体内から排除されず、持続感染となります。持続感染している多くの牛は、長期間、臨床的には健康なキャリアーですが、病気が進行すると感染牛の30%で白血球のリンパ球が持続的に増多する病気(持続性リンパ球増多症)となり、更に進行すると感染牛の3%で白血病を発症します。 症状は、体表リンパの腫脹、削痩(さくそう)、眼球突出、乳量減少などを示し、死に至ります。 散発型 は、子牛型(6か月未満)、胸腺(きょうせん)型(6か月~2歳未満) および皮膚型(2~3歳)に区分されます。どちらもワクチンや治療法がなく予後不良です。
牛白血病の抗体検査は全国規模で行われています。抗体陽性率は、昭和55年に乳牛3.7%、肉牛7.4%でした。しかし、移行抗体が消失する6か月齢以上を対象に平成22~23年にかけて実施した結果では、乳用牛が約40%、肉用牛が約28%と、約30年前に比べて明らかに高率になっています。
さらに、近年、食肉衛生検査所において本疾病の摘発による全廃棄が問題になっています。本病の発症年齢が4~8歳と言われる中、3歳以下という若齢での発症がみられています。
このように、肉用牛肥育農家に危機感が募る中、全国的に牛伝染性リンパ腫陰性子牛を明確にした子牛市場が増えており、繁殖農家と肥育農家が清浄化に向かって一丸となっている地域が増えています。
対策は、細かく言えば沢山ありますが、まずは、下記の内容について、再確認をしてみてください。また、出生子牛の確認検査、アブやサシバエの活動が終わった時期の農場検査は、農場の状況を把握するうえで重要です。弊社でも、PCR検査やリアルタイムPCR検査が出来ます。感染牛の隔離や廃用牛の対象を決めるためにも参考になる検査です。 まずはお気軽にご相談下さい。
<対策>
1.垂直感染からの防止
感染牛から、どうしても子をとる場合は、出生後必ず子牛の血液検査を実施して、感染の有無を確認しましょう。また、感染牛の母乳は子牛に与えないことです。しかし、どうしても感染牛の初乳を与える場合は、下記のどちらかの処理によりウィルスを不活化させてから給与しましょう。
①マイナス20℃で一度凍結すること
冷凍する場合、ジープロックやペットボトルで凍結する場合が多いと思いま
すが、中心まで-20度で凍結させること
②56℃で30分加温させること
2.水平感染からの防止
①感染牛を隔離すること
②健康牛は防虫ネットなどで防護し吸血昆虫からの感染を防止
3.医原性感染の予防
耳標装着などの作業では、感染牛の血液だけでなく、感染リンパ球が漏出す
る創傷面も感染源となり、非感染牛では、創傷面が BLV の侵入経路になります。
①耳標装着、蹄病、除角、去勢などに使用した器具は洗浄し、通常の消毒液で消毒するか、乾燥させてから使用すること
②注射針や直腸検査用手袋の使い回ししないこと
(地方病性牛白血病参考)
『牛白血病ウイルス検査』については、こちらをご確認ください。
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