食中毒を引きおこすウイルス、A型肝炎ウイルス

A型肝炎ウイルスとは、A型肝炎の原因ウイルスであり、4類感染症に指定されているウイルスです。A型肝炎の典型的な症状は、黄疸、肝腫脹、黒色尿、灰白色便などを認め、年齢が上がるにつれて重症化する確率が高くなるとされています。A型肝炎ウイルスの感染経路は、汚染された水や食品を摂取することで感染する、経口感染と言われています。A型肝炎ウイルスに感染するリスクは、衛生環境の悪い国の水や加熱不十分の二枚貝やイノシシやシカの肉、豚肉や豚レバーを食べることで食中毒を起こすとされています。海外では、汚染された野菜などを介して感染する事例も報告されています。2022年アメリカやカナダでは、A型肝炎ウイルスに汚染された冷凍イチゴが原因とされる集団食中毒が発生しました。A型肝炎は、感染から発症までの期間が2~7週間と長く、食中毒が疑われても感染経路の特定が難しく、原因不明の食中毒とされることが多いそうです。

 

また、A型肝炎ウイルスに感染すると、便からウイルスが排出され、その便が原因(糞口感染)で感染が拡大する可能性もあるため、手洗いうがいや調理従事者が感染した場合は、調理をさせないなどの対策が必要です。

 

A型肝炎ウイルス予防法は、生食を避ける、十分に加熱することが重要です。85℃で1分以上の加熱がA型肝炎ウイルスの不活化に有効とされています。環境衛生に問題のある国へ渡航する場合は、水道水を飲まないことや、渡航前のワクチン接種で予防できるとされています。

 

A型肝炎ウイルスの検査方法、血液検査や便を用いた検査で検出ができます。
食環境衛生研究所では、便中からA型肝炎ウイルスを検出する検査を準備中です。
是非ご利用ください。

 

参考文献)食品安全委員会ファクトシートより

A型肝炎ウイルスの検査▼
準備中

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