加工食品における残留農薬検査の重要性について
はじめに
近年、食品安全に対する消費者の関心が高まっている中で、加工食品においても残留農薬の問題が取りざたされることが増えています。食品として流通する際には、ポジティブリストの規制を受けるために食品規格に適合した原料を用いることが基本となります。
加工食品における問題点
海外から輸入される原料や加工食品においては、事前情報も少なく、残留農薬の問題が生じる可能性があります。輸入品に関しては、年間計画に基づいて抜き取りによるモニタリング検査が実施されます。基準値を超えた場合には、廃棄や積戻しとなり、その費用は事業者負担となります。そのため食品を輸入する際には、事前に自主検査を行うことが推奨されます。
加工食品における残留基準値
加工食品の基準値については残留基準が設定されている加工食品については、その基準に適合する必要があります。残留基準の設定がない加工品については一律基準による規制の対象となるのが原則です。加工食品の分類では約60品目に対して基準値が設定されていますが、設定されている基準値も少なく、加工食品として一律基準(0.01ppm)を超えて残留農薬が検出されてしまった場合には違反となってしまうケースも多く見られます。
ただし、原材料が食品規格に適合していれば、その加工食品についても残留農薬等の残留値によらずに食品規格に適合するものとして取り扱うこととしています。
上記から、原料が食品規格に適合している様管理する事は加工食品を取り扱う上で重要と考えられます。
加工食品における残留農薬の評価方法
最終製品から、残留農薬を評価する場合には乾燥野菜、植物油のように乾燥や抽出の工程において残留農薬の濃縮が考えられる加工食品の扱いについて「個々の加工工程を勘案し、合理的と考えられる加工係数等を用いることが適当と考えられ、原則として、各事業者において自社の加工工程等を踏まえた加工係数を確認することとなる」との考えがあり、また、科学的根拠に基づいて設定されたものであれば、基準への適合性を判断する際の目安として加工係数用いることが可能であるとの見解が示されております。
上記から、最終製品から評価する場合に加工工程を科学的根拠に基づいて管理し係数を設定している事が重要と考えられます。
あとがき
加工食品において残留農薬の問題が生じた場合、その食品が流通することによって、多くの問題が起こります。そのため、原料や最終製品が規格に適合しているかどうかを確認する事は重要と考えられます。
まとめ
①加工食品においてもポジティブリストの規制を受けます。
②加工食品には残留基準がある場合にはその基準に適合する必要があります。
③原材料が食品規格に適合していれば、その加工食品についても残留農薬等の残留値によらずに食品規格に適合するものとして取り扱います。
④最終製品から評価する場合には個々の加工工程を勘案し各事業者において科学的根拠に基づいて管理し設定した係数用いる事が出来ます。
残留農薬検査について
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