食品の異臭検査 食品異臭成分と検査手法について|食品

食品における異臭は劣化による納豆臭やシンナー臭等、様々な要因から多種類の異臭成分が原因となり発生します。今回は異臭成分の特徴と検査手法についてご紹介します。

異臭検査とは?

食品から発生する異臭成分を分析機器により測定し、異臭成分を特定するための検査です。
弊社では食品の異臭原因として発生する150の臭気成分一斉検査を行っております。弊社の異臭検査は比較検査を推奨しており、異常品で検出された異臭成分が正常品でも検出されるか等の比較解析を行い検査結果としております。これは食品の特性により元々の特性として異臭成分を有する食品もある事から、比較を行う事で異常品から検出された臭気成分が異常であるかを確認しています。
 

官能検査との比較

異臭検査について最も迅速な方法が官能試験(匂いを嗅ぐ)となります。
この官能試験の特徴は迅速に行うことが出来る方法ですが、デメリットは下記の通りです。
・感覚や感じ方に個人差がある
・表現方法の統一が難しい
・複数の臭いが混じり別の臭いとして感じる場合がある(臭いの分離が困難)
・数値化(比較)等が難しい
 
機器分析(GCMS分析)のメリットとしましては、上記のデメリットを補う事が可能ですが、検査を行う分析機器の機種によっては人間の感覚の方が優れる場合もあり、検出が困難な成分も存在します。弊社では最新の高感度機種を用いる事により微量からでも検出が可能です。
また、機器分析(GCMS分析)では官能情報を認識出来ないため、あくまでも成分として検出されるかどうかという判定になります。
 
弊社では150の臭気成分に官能情報を紐づけており、機器分析と官能情報を組み合わせる事により、より原因究明につながる検査を行う事が出来ます。
 

検査方法

分析手法としましてはSPME-GC/MS法を採用しています。
SPMEとは吸着加熱脱着法という気体の捕集方法で気体成分の捕集方法で液相をコーティングしたファイバーに揮発成分を吸着させ、加熱脱着して装置へ導入する方法です。

GC/MSとは揮発性成分を分離・検出するための装置でSPME法にて捕集した揮発成分をそれぞれ分離して、検出する事が出来ます。
弊社ではより高感度な測定を行うため最新のGC/MS/MSを使用しております。
 

異臭の感じ方分類について

過去コラム「異臭検査について」にて下記の分類を紹介しておりますのでご参照下さい。
Ⅰ:食品に由来する要因が想像できる異臭
変敗などの品質劣化が想像できる異臭で、当該食品との関係を何となく想像し結びつけることができます。
Ⅱ:消費者が原因を想像しにくい異臭
当該食品と異臭が結びつかず原因を想像しにくいもの
Ⅲ:食品外の要因が想像できる異臭。本来食品が持たない成分の付着・混入が想像できる異臭
 

特徴的な臭気成分

食品種により発生する臭気成分は様々ですが、主に下記の様な異臭成分が原因となるケースが多いです。
>アルデヒド臭
ヘキサナールを代表とするアルデヒド化合物で、油脂の劣化(酸化)に伴い発生する成分であり、油・紙・柑橘様臭を有する特長があります。
>カビ臭
2-メチルイソボルネオール、ジェオスミン、トリクロロアニソール(TCA)のカビ臭を有する成分です。これらの成分の生成は様々で藍藻類や放線菌、カビが代謝する事で発生します。
>鎖脂肪酸
発酵や変敗により発生する成分で、酸・油・バター様臭を有する特長があります。
 

最後に

弊社の異臭検査では150の異臭成分を検査する事ができ、様々な食品の原因究明にお役立て頂いております。

詳細は下記の通りですのでご興味頂けましたら是非ご参照下さい。
異臭検査(食品対象150成分)
https://www.shokukanken.com/kensa/item2343/
 

リンク

コラム:異臭検査について
https://www.shokukanken.com/colum/colum0267/

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