缶詰食品に潜むフラットサワー菌とは?

フラットサワー菌とは、缶詰、瓶詰、レトルト食品においてフラットサワー変敗を引き起こす菌の総称です。

フラットサワー変敗とは?

缶詰などの容器の膨張は無く平らなまま(Flat)であるが、菌が産生する乳酸などによって酸っぱくなって(Sour)、本来の食品の見た目や風味が損なわれ(Spoilage)、食用に適さなくなることをフラットサワー変敗(Flat Sour Spoilage)と呼びます。滅菌不良などによってフラットサワー変敗が発生しても容器の外観からは分からず、それを購入した消費者が容器を開けて初めて異変に気付くことが多いため、フラットサワー菌は缶詰、瓶詰、レトルト食品業界においては非常に厄介な存在であると言えます。

フラットサワー菌にはどんな菌種がいるの?

フラットサワー菌の中で最も有名な菌のひとつとしてBacillus coagulans (バチルス・コアグランス) が挙げられます。この菌は生育環境が悪化すると芽胞と呼ばれる耐久型(耐熱性・耐乾性・耐薬品性)の細胞を形成します。この菌は嫌気条件下で糖を分解して乳酸を産生する乳酸菌でもあり、「生きて腸まで届く有胞子性乳酸菌」としても良く知られています。フラットサワー菌として厄介者扱いされる一方で、高機能プロバイオティクスとして人の腸内ではとても良い働きをします。他には、Geobacillus stearothermophilus, Desulfotomaculum nigrificansといった、B. coagulansと同じ耐熱性の芽胞形成菌が知られています。

食中毒を引き起こす?

フラットサワー菌は食中毒菌ではありません。しかし、<酸っぱいけど容器は膨張していない⇒フラットサワー変敗⇒食べても大丈夫>、とはなりませんのでご注意ください。異常を感じた食品は食べないように気を付けましょう。

フラットサワー菌の検査案内

弊社ではクレーム品対応の検査項目のひとつとしてフラットサワー菌検査を提供しております。
「酸っぱい臭いがする。」
「食べてみたら酸っぱかった。」
「いつもと見た目が違う。」
こんな声と共に消費者の方からクレーム品が届いたときは、弊社のフラットサワー菌検査をご利用ください。また、ご希望の検査方法などございましたらお気軽にお申し付けください。

リンク

>>フラットサワー菌ページはこちらをクリック

youtube