【JFS-B規格】FSM:19 検査

今回は、『JFS-B規格 FSM:17 測定・モニタリング装置・機器の管理』について、説明いたします。
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>>【食品コンサルティング】
 
本要求事項は、『組織は、食品の安全に影響するところ及びものについて、適切に検査を実施しなければならない。また、当該検査は力量のある検査部門または分析機関により行われなければならない。』となっております。
 
この要求事項としては、前半と後半に分かれており、前半では適切に検査を計画・実施すること、後半では計画した検査を実施する検査部門や分析機関が適切な力量を持っているかどうか評価することを求めています。
 
前半部分の検査計画については、HACCPで行う危害要因分析と密接に関わっています。危害要因分析を行った結果、検査が適切に行われないと食品の安全や、法令的な要求事項、顧客からの要求事項に影響する場所が出てきます。その場所を管理するために、製品や半製品、原材料の管理が適切に行われているか微生物の検査を行ったり、清掃や洗浄、殺菌が適切に行われているか、環境のふき取り検査を行ったりして検証する必要が出てくると思います。
また、検査というと微生物の検査が思い浮かぶかもしれませんが、本項目ではそれ以外の確認作業も全て検査という項目に入ってきます。例えば、原材料受入時の目視チェック、製品のピンホールチェック等、確認する作業や、金属検出器やX線検出器によるチェック作業等、食品の安全に関わる部分は全てこの項目に関わってきます。
さらに、内部で実施できない検査(防虫防鼠、微生物検査等)については、外部に委託することも含めて計画に入れる必要があります。
 
後半部分では、前半部分のように定めた管理計画に基づいて行った検査について、適切に行われていないと想定される危害を防ぐことができないため、教育や証明を受けた内部又は外部の検査部門や検査機関が行っているか、ということを確認することを求めています。
本要求事項を満たすために、内部の検査部門及び検査する人に対して行う教育としては、定期的な教育の実施や教育の記録、力量評価表(例:各工程と作業者の名前を書いた表を作り、各作業ができるかどうか○や×等で評価)の作成等が当てはまります。また、原材料受入検査や、製造工程や製品の検査に関する手順(方法、基準等)を定めた文書を作成し、掲示して間違いないように作業させる、ということも、誰でも同じ作業ができるようにすることで、力量の評価の一助となります。
一方、外部の検査機関に対しては、所属する従業員の教育や検査の力量に関する証明書を出してもらうことで、力量評価をする場合もあります。また、検査機関として問題ないか確認するために、ISO17025に適合した手順、妥当性確認を行った内容で検査を行っているか、内部精度管理・外部精度管理を適切に行っているかといったことを確認する、ということも力量評価の方法の一つになります。それ以外にも『FSM 13.2:サプライヤーの管理』の要求事項の中に委託内容が問題なく行えるかという評価を入れる、という方法等もあります。
 
次回は、『JFS-B規格 FSM21 苦情への対応』についてご説明させていただきます。
 

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