【JFS-B規格】FSM22:重大事故管理

今回は、『JFS-B規格 【JFS-B規格】FSM22:重大事故管理』について、説明いたします。
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>>【食品コンサルティング】
 
本要求事項は、組織は、事故対応マニュアル※を策定し、事故が起きた場合にはこれを実施し、常に有効であるよう維持しなければならない。このマニュアルには、必要に応じて、製品の撤去や回収(リコール)の方法も記述する。
事故対応マニュアルに基づき、組織が供給する製品について少なくとも年1回テストをし、手順の有効性を検証し、検証の記録を維持しなければならない。
※食品安全に関わる問題が生じた時に問題を拡大させないための適切な対応、管理を行うためのマニュアル。
 
となっております。
 
重大事故管理は、食品の安全に影響を与える可能性のある食品事故を指しており、品質のみに影響を与える可能性がある事故は含まれません。
重大事故が起きた場合は、最悪の事態を想定して動くことが望ましいとされています。
 
下記事故への対応例となります。
・情報の収集:問題のある商品がどこから来たのか(遡及)、 どこに行ったか(追跡)、速やかに確認を行う。(入荷時の伝票、製造日報などの記録、出荷販売時などの伝票などの保存)
・原因の究明:製造した施設に原因があるのか、または、流通する過程で混入することも考慮して、必要に応じて外部調査を行う。
・内部への対応:従業員に対して、事故の状況や対応について説明情報を共有。回収された商品の保管方法や廃棄方法を社内で決めておく。
・外部への対応:取引先、消費者の公表前に正確な情報を事前に集めておく。
被害に遭った消費者には速やかに説明し、被害の状況を確認。必要であれば治療の対応を行う。
・情報提供:最新の情報について公表。自社ホームページ掲載、店頭表示等。
・行政への対応:・健康自主回収を開始した時点で、管轄する保健所を通じて厚生労働省に報告。同時に、食品衛生申請等システムで回収の届出を行う。(予め保健所などの行政機関とは連携できる体制を整えておく。また、連絡先をマニュアルなどに明記しておく。)
・再発防止策:事故が起きた原因に対して再発防止策を実施し、報告書に記載後、全社もしくは該当部署に共有する。再発防止策実施から1か月以内に再発防止策が有効に機能しているか有効性を検証する。
その他:初期対応が終わった後、監査会社へ報告をする。
 
また、文書化された下記のような事故対応マニュアルの作成が必要となります。
 
1)重大事故発生時は不適合対応、苦情対応などの関連する管理手順に基づき対応する。
2)重大事故管理のための権限を持った責任者を任命する。
3)顧客、消費者、及び関連官庁の緊急連絡網を作り、最新であるよう管理する。
4)顧客、消費者、及び関連官庁へ情報を提供する責任者を任命し、効果的なコミュニケーションが取れるようにする。
5)従業員への通達など内部コミュニケーションの仕組みを明確にする。
6)重大事故の対応ができるかを評価するため、事故対応マニュアルに基づき、年1回以上の模擬訓練及び見直しをおこなう。
7)事故の重大性と顧客へのリスクがあるかどうかを立証するために、事故の記録を取り、評価をおこなう。事故の記録は以下の内容が必要である。
(1)関連する製品、製造場所
(2)影響を受けた製品の量
(3)影響を受けた製品の範囲(ロット、バッチなど)
(4)製造の記録
(5)出荷された数量と場所
 
マニュアル作成後は、事故を想定した訓練を行うことが必要です。年1回以上訓練を実施し、作成したマニュアルの有効性を検証して下さい。訓練において、事故対応がスムーズに行えるか確認しておくことで、実際に事故が起きた際に被害を最小限に抑えることに繋がります。訓練をするうえで使用した製造記録や社内連絡メール等は回収訓練記録と一緒に保管し、振り返れるようにしておきましょう。どのくらいの時間で訓練が行えたかについても記録しておくと良いでしょう。
 
次回はFSM23製品のリリースになります。
 
 

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