緑膿菌ってどんな菌?|免疫力の低下している人は注意?

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa )とは

グラム陰性好気性桿菌で、菌体の一端に1本の鞭毛を持ち、運動性を示します。淡水や海水、土壌など自然界に広く分布し、湿潤な環境を好む傾向にあります。また、人を含む動物の腸管内にも存在します。
芽胞を形成しない細菌の中では最も安定な菌の一種と言われており、乾燥した環境中や高温条件下でも比較的安定して生存することが可能です。また、発育温度範囲が広く、栄養に乏しい環境でも発育することができるという特徴があります。
このほかにも、青緑色のピオシアニンや蛍光黄緑色のフルオレシンなどの色素を産生し、甘酸っぱい特有の強い臭気を発するといった特徴があります。
 

緑膿菌による問題について

緑膿菌は健康な人には病原性を示しませんが、免疫力の低下している人などには敗血症や肺炎などの重篤な感染症を引き起こす日和見感染症の原因菌として知られています。多くの消毒剤や抗生物質に対して抵抗性が強く耐性を示すことから、院内感染の原因菌としても問題になっています。
広域β-ラクタム剤、アミノ配糖体、フルオロキノロンの3系統の薬剤に対して耐性を示す緑膿菌による感染症を薬剤耐性緑膿菌感染症とし、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」において5類感染症に規定されています。
 

規格基準について

わが国では、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準 清涼飲料水」(昭和34年厚生省告示第370号)の中でミネラルウォーター類およびミネラルウォーター類の製造に用いる原水について、緑膿菌の成分規格及び製造基準が定められています。
ミネラルウォーター類のうち殺菌又は除菌を行わないもので、容器包装内の二酸化炭素圧力が20℃で98kPa未満のものにあっては、緑膿菌が陰性でなければならないとされています。
 
 
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