ビタミンA②|栄養素バランスを整えて摂取効率アップ⑦

今回は「栄養素バランスを整えて摂取効率アップ⑥」の続きでビタミンAについてさらに詳しく紹介します。
 

【プロビタミンAについて】

ビタミンAは、食事から摂取するだけでなく、体内で必要に応じて作り出すことができます。体内でビタミンAを作り出す材料となるものをプロビタミンA(ビタミンAの前駆体)と呼びます。
プロビタミンAはカロテノイド色素群に属している化合物で、約50種類ありますが主にα-カロテン、β-カロテン、クリプトキサンチンなどが知られています。その中でも特にβ-カロテンは他のカロテノイドに比べて効率よくレチノールに変換されます。
 
ビタミンA②
 
β-カロテンは、摂取されると小腸で吸収されて、中央の結合が切れて酸化されることでビタミンAとなります。体内でビタミンAが不足しているときに必要なだけビタミンAに変換され、体が必要としないときにはビタミンAには変換されず、そのまま脂肪細胞に貯蔵されるか排泄されます。
 

【過剰症について】

ビタミンAは脂肪と共に小腸で吸収されてその90%が肝臓に貯蔵されています。体外排出されにくいため、過剰に摂取すると過剰症を引き起こす恐れがあります。特に妊娠初期に摂りすぎると、胎児が奇形、先天性異常などをもって生まれてくる可能性が高くなるので注意が必要です。
 
ビタミンA②
 
普通の食事ではそこまで心配はいりませんが、サプリメントを活用する際は注意が必要です。サプリメントの成分表示をしっかり見て過剰摂取に注意しましょう。
また、前述したようにプロビタミンA(β-カロテンなど)は必要な分しかビタミンAにならないため過剰摂取の心配がありません。
 
最後にビタミンAを摂取できる料理を紹介します。
 
野菜たっぷりレバニラ
レバニラ
 
ビタミンAが豊富な豚レバー、ニラ、にんじんを使用しました。油で炒めることで効率よくビタミンAを摂取できます。レバーは栄養豊富で、レチノールもとても豊富に含まれています。しかし、連日摂取すると過剰になってしまう恐れがあります。食べすぎには注意して適度に取り入れてみてください。
 

参考文献

「世界一やさしい!栄養素図鑑」牧野直子監修(新星出版社)
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書 (厚生労働省)
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」(文部科学省)
「ビタミンAの過剰摂取による影響」(食品安全委員会)
 
食環境衛生研究所ではビタミンA(レチノール・β-カロテン)の検査を承っております。栄養表示に関するご依頼やご相談などお気軽にお問い合わせください。
 
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