細網内皮症ウイルス(REV)とは?
細網内皮症ウイルス(REV)はレトロウイルス科ガンマレトロウイルス属に分類される腫瘍原性レトロウイルスです。細網内皮症ウイルス(REV)はリンパ腫症類似の病変を有する七面烏から、実験的に鶏や七面鳥に同様の病変を引き起こすウイルスと知られています。また鶏に対する感染実験を行い、初生ひなに対する急性で高率の致死性が確認されています。
我が国の野外症例報告はREVが迷入したマレック病ワクチンあるいは鶏痘ワクチンを接種した鶏群によるものです。しかし、1990年代の野外における腫瘍発生鶏群の検査結果ではマレック病ウイルス(MDV)、トリ白血病ウイルス(ALV)そしてREVが多く検出されていることから野外鶏群に広く浸潤していることが示唆されています。
細網内皮症(RE)の症状は「ラント(矮小)病症候群」「慢性リンパ腫」「急性細網細胞腫」があります。
1) ラント(矮小)病症候群
発育不全、貧血、羽毛異常、脚麻痺、末梢神経の腫大、胸腺の萎縮、ファブリキウス嚢の萎縮を示します。特徴的な羽毛異常は中抜けと呼ばれ高率で発生します。
2) 慢性リンパ腫
Bリンパ腫とは白血球の一つであるBリンパ球ががん化する疾病です。Bリンパ球はリ
ンパ節や脾臓だけでなく血流を介して全身をめぐり宿主の免疫機能に貢献しています。しかし過剰にBリンパ球ががん化により増えることで免疫機能の調節が困難になり様々な全身症状を表します。
3) 急性細網細胞腫
実験的に再現された腫瘍で野外での発生はありません。
REVの伝播は「水平感染」「介卵感染」「REV汚染ワクチンによる感染」があります。
1)水平感染
目や口腔の粘膜、糞などを介してウイルスが排出されることで他の鶏に感染します。
2)介卵感染
初生ヒナまたは鶏胚がウイルスに感染することで免疫寛容となり持続感染鶏となります。その後、持続感染鶏から生殖器を介し介卵感染が起こります。ただし、介卵感染を起こす別の病気(ALVなど)に比べると感染率は低いです。
3)REV汚染ワクチンによる感染
(株)食環境衛生研究所では、主にSPF鶏の陰性確認を目的とした抗体検査を、1検体3500円(税別)で実施しております。
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