A型インフルエンザについて解説!

インフルエンザウイルスについて

インフルエンザウイルスは抗原性の違いからA型、B型、C型に分類され、A型はヒトだけでなく哺乳類および鳥類に広く感染をもたらす人獣共通感染症です。今回は宿主域が広く、畜産業界にも大きな損失をもたらすA型インフルエンザウイルスについて説明します。
A型インフルエンザウイルスは144種類の抗原亜型に分類されます。抗原亜型はH5N1のように表します。A型インフルエンザウイルスの自然宿主はカモなどの水禽類です。
 

ヒトのインフルエンザ

ヒトでは20世紀に3度ほど世界的大流行(パンデミック)が起きています。1918年のスペイン風邪、1957年のアジア風邪および1968年の香港風邪、2009年のインフルエンザの世界的大流行です。
 

鳥のインフルエンザ

トリのインフルエンザウイルスはH5およびH7の亜型を持つものを高病原性鳥インフルエンザウイルスと呼ばれ法定伝染病に指定され、それ以外のものを低病原性鳥インフルエンザウイルスと呼びます。高病原性の場合は呼吸器症状だけでなく産卵率の低下やチアノーゼや下痢など様々な症状を示し、急性の場合は症状を示さずに急死します。発生が確認された養鶏場の鶏は全羽処分されるため養鶏産業に大きな経済損失を引き起こします。
 

豚のインフルエンザ

豚の慢性呼吸器疾患であり、他の疾病と混合感染することで重症化します。母豚に感染することで流産を引き起こし経済的損失にも大きく影響する疾病です。豚からヒト、ヒトから豚への感染も確認されています。
 

馬のインフルエンザ

発熱を伴う急性の呼吸器疾患で、届出伝染病に指定されています。
 

犬のインフルエンザ

ウイルスが混入したカモ、加工餌を食べたことによる報告があります。
 

猫のインフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染した野鳥を食べたことによる感染事例が報告されています。
 

海生哺乳動物のインフルエンザ

アザラシ、イルカからトリインフルエンザウイルス感染が報告されています。
 

食環境衛生研究所での検査

(株)食環境衛生研究所では豚のインフルエンザウイルス試験は赤血球凝集抑制反応:HI試験(豚型H1N1、香港型H3N2)、酵素標識抗体法:ELISA、PCR検査(動物種問わずA型インフルエンザを検出)の3種類ご用意しております。
 
 

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