ISO規格とは ?製品の規格とマネジメントシステムの規格?
はじめに
ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関International Organization for Standardization（国際標準化機構）の略称です。ISOの主な活動は国際的に通用する規格を制定することであり、ISOが制定した規格をISO規格といいます。
製品に対する規格
ISO規格は国際的な取引をスムーズにするために製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準であり、制定や改訂は日本を含む世界165ヶ国（2014年現在）の参加国の投票によって決まります。身近な例でいうと非常口のマークやカードのサイズ、ネジなどがあてはまっています。これらは製品そのものを対象とする、「モノ規格」です。
マネジメントシステムに対する規格
ISOは製品に対する規格である「見える規格」以外にも、目には見えない仕組み的な部分で、組織の品質活動や環境活動を管理するための仕組み（マネジメントシステム）についてもISO規格が制定されています。
マネジメントシステムとは、目標を達成するために組織を適切に指揮・管理する「しくみ」です。組織内の人々が同じ目標に向かって動いてもらうためには、「マネジメントいわゆる管理」が必要です。会社としてのルールを作り、それを会社全体で守ることによって、会社を運営していくことになります。そして、この会社を運営するためのルールが、「規定」や「手順」です。規定や手順を運用するためには、「体制」として、部課長などの役職が必要となります。その場合、各役職の「責任」と「権限」等の体制を明確にしなければなりません。規程や手順、そしてこれらを実際に運用するための責任・権限の体制が、「マネジメントシステム」と呼ばれます。
マネジメントシステムに対する規格としては、ISO 9001 (品質マネジメントシステム)、ISO 14001 (環境マネジメントシステム)が挙げられます。
このように、目には見えない「しくみ」の部分にも国際的な基準があり、商品の品質やサービスを統一化することで安全・安心なものを消費者や顧客に継続的に提供することを可能としています。
次回は『ISO17025とは』についてご説明させていただきます。
参考文献
1. ISOの基礎知識：一般社団法人 日本品質保証機構
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