梅と成分分析|6月の旬食材シリーズ④

6月最後の食材は、梅でいきます!!梅の生産量も枝豆と同様に、群馬県が国内第2位だと、ご存じでしたか?1)梅の花が咲くころは、各地で梅まつりが開かれます。まだ寒い時期に凛と咲く梅の花言葉は「不屈の精神」・「高潔」だとか。
 
完熟前の青梅には、アミグダリン(青酸配糖体)という天然毒素が含まれています。そのため、青梅を生で食べると、嘔吐やめまい、呼吸困難などの症状が出ることがあるので注意しましょう。青梅は梅シロップやジャム、梅酒にすることで、無毒化されます。梅が完熟するとアミグダリンは分解され、さらに塩漬けすることで無毒となるので、梅干しはとても安心して食べられる機能食品と言えます。
下表に梅に含まれる成分とその効能についてまとめました。

表1 梅に含まれる成分と効能2)~4)

梅に含まれる成分効能
有機物クエン酸疲労回復
カルシウム・鉄分の吸収率向上(カルシウムや鉄とクエン酸がキレートを作り、腸から吸収を高める)
静菌作用があり食中毒の原因となる菌が増えるのを抑える
肝臓でのアルコールの分解を助け、肝臓に負荷をかける物質の排出を促進
コハク酸細胞の血管新生を抑制することからガン細胞の増殖を防止する効能が期待
貝のうま味成分
リンゴ酸りんごは発熱疾患に対して解熱作用、気管支炎や風邪に際しては去痰作用、消炎作用がある。
ピクリン酸胃腸の働きを高める
ポリフェノールリグナン誘導体のリオニレシノールやシリンガレシノール抗腸瘍活性・抗酸化活性・抗肥満活性など様々な機能性が報告されている
カリウム血圧を下げる効果
ビタミンC風邪予防、免疫力向上、老化防止、美容効果
ビタミンE抗酸化作用、ビタミンEの効能と摂取量
ムメフラノール加熱濃縮工程で生成。生の梅には含まれない。
血圧を安定させる作用がある(高血圧の予防や改善に役立つ可能性)
塩漬け梅干し100g中に1.1mg含まれます。
肉や魚など動物性食物に含まれる鉄分より吸収されにくいので動物性たんぱく質と組み合わせた食事をすると吸収率がアップします。

※1) ビタミンEの効能と摂取量
※2) 食品成分データベース (mext.go.jp)
 
梅は、アルカリ性食品でもあり、酸性化したドロドロの血液を中和することで、老廃物の少ないサラサラにした血液を保つ効果もあります。
・梅に含まれるポリフェノールは、非常に注目を集めています。梅ポリフェノールは表に記載した他に、ネオクロロゲン酸、クロロゲン酸などのヒドロキシ桂皮酸の誘導体なども含まれます。ポリフェノールは種類が豊富なため、食品表示では総ポリフェノール量として表示することができます。詳細はコラム「食品中のポリフェノール総量分析について」をご参照ください。
 
・梅に限らず農作物を育てるには、必ず病害虫の対策が必要です。その対策として、安全性が確認された農薬を使用することは、労力やコストの面からも良い方法だと考えられます。しかし、農薬を正しく使用しているかの確認(=残留農薬検査)も重要です「6月旬食材:枝豆(残留農薬分析)参照」。
 
これからが夏本番!!年々暑くなる日本の夏。近年、群馬県は日本一の暑さとなる日もでてきました。本当に、危険を感じる暑さです。そんな時こそ、夏バテ予防や疲労回復効果が期待できる『梅』を上手に食卓へ取り入れて、健康で楽しく夏を乗り切りましょう☆
 
弊社では、栄養成分、ポリフェノール、残留農薬について、検査、分析をすることができます。検査のご依頼、ご相談は下記までお気軽にご連絡ください▼
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1) https://japancrops.com/crops/ume/prefectures/
2) 梅に含まれる成分とその作用
3) 梅干しの効能|デメリットと効果的な食べ方を解説。梅ボーイズ (umenokuni.com)
4) 梅リグナンとは? | 紀州梅効能研究会 梅・梅干・梅リグナン (umekounou.com)

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