【BVD】牛ウイルス性下痢のワクチン|動物用医薬品の紹介

牛ウイルス性下痢とは

牛ウイルス性下痢(Bovine viral diarrhea)は、牛ウイルス性下痢(BVD)ウイルスに感染することによって起こる感染症で、呼吸器症状や下痢、時には致死性の粘膜病を起こす疾病です。症状は宿主の年齢、感染様式によって臨床症状は大きく異なります。自然宿主は牛、水牛、綿羊、山羊、豚などの家畜、さらに鹿、ヤク、ラマ、アルパカなども含まれていますが、その中で牛が最も感受性が高いです。臨床症状は牛及びアルパカで認められています。伝搬としては持続感染牛が最も重要な感染源であり、感受性牛の鼻粘膜や口腔等の呼吸器系あるいは膣粘膜の生殖器系よりウイルスが侵入する他、感染母牛から胎子への垂直感染があります。
 
牛ウイルス性下痢に関する情報
参照:農林水産省 牛ウイルス性下痢に関する情報
 

主な臨床症状や特徴

急性感染牛・・・発熱・下痢、呼吸促迫、流産・異常産など。
持続感染牛・・・慢性的な下痢、成長不良など典型的な臨床症状を示すことは少ないです。一見健康に見えても、やがて発育不良となります。また、鼻汁や糞尿等に常に多量のウイルスを排出し続けるため、本病の感染源になります。
粘膜病発症牛・・・血液を含む下痢、鼻・口腔のびらん(ただれる こと)・潰瘍(深部組織の破壊)など。
 
※急性感染牛の致死率は低く(5~10%)、回復後は終生免疫を獲得するが、粘膜病発症牛では致死率が高い(90~ 100%)
 

国内(牛)発生状況

平成24年度平成25年度平成26年度平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度令和元年
戸数118120136158222221230207
頭数189228260310406380382359

参照:農林水産省 牛ウイルス性下痢に関する情報
 
☆本病には治療法は確立されていません。
そのため、ワクチンによる予防が対策として重要となりますので、
主なワクチンを紹介させていただきます。
 

ワクチン一覧・特徴

メーカーベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン
商品名ボベラ®
特徴牛ウイルス性下痢(BVD)生ワクチンとして日本で初めて妊娠牛にも投与でき、持続感染(PI)牛の出生を予防。

 

メーカーゾエティスジャパン
商品名ストックガード5
特徴牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢、牛パラインフルエンザ及び牛RSウイルス感染症の予防。

 

メーカー共立製薬
商品名ボビバックB5
特徴牛伝染性鼻気管炎ウイルス、牛ウイルス性下痢ウイルス(1型)、牛ウイルス性下痢ウイルス(2型)、牛パラインフルエンザ3型ウイルス及び牛RSウイルスを製造用細胞にて増殖させて得た各々のウイルス液を不活化した後、これにアジュバントを加えた液状ワクチン。

 

メーカー京都微研
商品名牛下痢5種混合不活化ワクチン
特徴母牛を免疫し、その初乳による産子の牛ロタウイルス病、牛コロナウイルス病及び牛の大腸菌症の予防。

 

メーカー京都微研
商品名キャトルウィンー5K
特徴牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢、牛パラインフルエンザ及び牛RSウイルス感染症の予防。

 

メーカー京都微研
商品名京都微研キャトルウィンー6
特徴牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢、牛パラインフルエンザ、牛RSウイルス感染症及び牛アデノウイルス(7型)感染症の予防。

 

メーカー京都微研
商品名京都微研カーフウィン6
特徴牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢、牛パラインフルエンザ、牛RSウイルス感染症及び牛アデノウイルス(7型)感染症の予防。

 
※京都微研キャトルウィン―6と京都微研カーフウィン6は牛流行性下痢1型及び2型の株が違います。
 
☆ワクチンにはそれぞれ特徴がございますので、農場に合ったものをご選定ください。
弊社では臨床試験を承っております。
試験の確認、相談等でも構いませんので、いつでもお気軽にお問い合わせください。
 

参考ページ

>>農林水産省 牛ウイルス性下痢に関する情報
 

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