インフルエンザ 学級閉鎖の基準と期間|習い事や塾は行っていい?

今年もインフルエンザの流行シーズンが到来しました。
変異株「サブクレードK」の出現もあり、例年と比較して流行入りの時期が早く、感染が広がるスピードも速いことが指摘されています。
それに伴い、学校や幼稚園・保育園での集団生活における感染症対策は、これまで以上に重要となっています。
学級閉鎖は、子供たちをインフルエンザの流行から守り、地域社会への感染拡大を防ぐための重要な手段です。
そんな学級閉鎖ですが、「何人休んだら学級閉鎖になるのか?」「学級閉鎖の期間はどれくらいか?」といった学級閉鎖に関する基準や期間は定められているのかどうか、ご存知でしょうか。
こちらのコラムでは、インフルエンザによる学級閉鎖の基準や期間、インフルエンザに感染した場合の出席停止期間、そして学級閉鎖期間中の正しい過ごし方などについて、分かりやすく解説します。
 

インフルエンザによる「学級閉鎖」の判断基準

インフルエンザ学級閉鎖の判断基準
 
学級閉鎖や学年閉鎖といった学校の臨時休業の措置は、学校保健安全法第20条に基づいて行われる感染症の予防措置です。
この法律は、学校における感染症の発生及び拡大を防ぎ、児童生徒等の健康を保持することを目的としています。
インフルエンザは、同法で定められている「第三種の感染症」に分類されており、学校の設置者は、必要に応じて臨時に学校の全部または一部(学級や学年)の休業(閉鎖)を決定できるとされています。
通常、この臨時休業の判断は、校長や幼稚園や保育園であれば園長が、学校医や自治体の基準、学級内の感染状況を総合的に考慮して行われます。

具体的な学級閉鎖期間の目安

具体的な学級閉鎖の判断基準は、法令等で定められていません。
学校医や自治体の基準、学校や園の規模や感染状況などを考慮し、校長や園長により判断されます。
東京都は同一学級内での欠席率が20%程度、大阪府は15%以上などを学級閉鎖の目安としています。
学級閉鎖の期間は2~5日間くらいが一般的で、状況に応じて決定されます。

 
【多くの自治体や学校・園での目安】
・欠席率の目安: 学級内でインフルエンザによる欠席者が10%〜20%程度に達した場合
・罹患数の目安: 学級内でインフルエンザの罹患者が5〜10人程度に達した場合
・その他の要因: 欠席者が増加傾向にある、他の学級や兄弟にも感染が広がり始めているなど

 

インフルエンザに感染した場合の出席停止期間

学級閉鎖における明確な基準は定められていませんが、インフルエンザに感染した場合の出席停止期間については、学校保健安全法で以下のように定められています。
 
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼稚園児・保育園児にあっては、3日)を経過するまで」
※発症当日および解熱当日を0日目として計算する。
 
インフルエンザ出勤停止期間

 

学級閉鎖期間中の子供の過ごし方

インフルエンザ学級閉鎖期間の過ごし方
 
元気あっても、外出は原則するべきではありません。
学級閉鎖は、インフルエンザウイルスを家庭や地域社会に持ち出さないための措置です。
そのため、元気だからといって、不要不急の外出をすることは、学級閉鎖の目的に反します。
 
【潜伏期間の可能性がある】
また、インフルエンザには潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)があります。
現時点では発熱がなく元気であっても、すでに体内にウイルスを保有しており、数時間後あるいは翌日に発症する可能性があります。
 
【無症状でも感染源になり得る】
本人が発症していなくても、ウイルスを排出し、周囲に感染させてしまうリスクがあります。「元気だから大丈夫」という自己判断は、思わぬ感染拡大を招く恐れがあります。

基本原則:自宅で静かに過ごす

<外出の自粛>
原則として、医療機関への受診などやむを得ない事情を除き、自宅から出ないようにしましょう。
 
<友人との接触禁止>
たとえ仲の良い友人同士であっても、友人の家へ遊びに行ったり、自宅に招いたりすることは控えるべきです。
 
<健康観察の徹底>
体調に問題がなくても、朝晩の検温や食欲の有無、顔色の確認など、健康状態の変化に注意を払いましょう。
 

習い事や塾には行っていい?

学校が休みである以上、原則として習い事や塾への参加も基本的には控えるべきです。
やむを得ず、参加を検討される場合は以下の手順を必ず踏むようにしましょう。
 
<事実の報告>
通っている習い事先や塾に対し、学校や園が学級閉鎖になっていることを正直に伝えましょう。
 
<判断を仰ぐ>
参加の可否は、習い事先や塾の判断に従いましょう。
子供や保護者の独自の判断で、参加させるのは控えましょう。
学級閉鎖中の生徒の受け入れに関して、習い事先や塾が規定を設けていることも多いです。
黙って参加し、後から発覚した場合、その施設全体に感染を広げ、多大な迷惑をかけることになります。
 

公共の場への外出について

不特定多数の人が集まる場所は、感染リスクが最も高い場所です。
以下のような場所への外出は控えるようにしましょう。
・商業施設(ショッピングモール、スーパー、ゲームセンター、映画館など)
・公共施設(図書館、児童館、公民館など)
・飲食店(ファミリーレストラン、フードコートなど)
 

保護者の方向け:もしもの時の対処法

インフルエンザ保護者の対処法
 
学級閉鎖は突然決まることが多く、保護者の方が仕事を休むのが難しい場合もあります。
祖父母の協力を得るほか、ファミリーサポートセンターなどの自治体がおこなうサポートの利用条件等を事前に確認しておきましょう。
自治体によっては、学級閉鎖期間中の対応策を設けている場合があります。
また、感染症による学級閉鎖は予測が難しいため、いざという時のために、職場の理解を得ておくことも大切です。
 

インフルエンザによる学級閉鎖の基本知識と事前準備

学級閉鎖の基準は法令で一律に定められているわけではなく、学校や地域の流行状況に応じて、欠席率10%〜20%を目安に総合的に判断されます。
学級閉鎖の期間は2日~5日間が一般的で、感染状況によって変動します。
学級閉鎖は、感染拡大を防ぐための予防措置であるため、子供が元気であっても、学級閉鎖期間中は外出や習い事、塾への参加は控え、自宅で静かに過ごすことが重要となります。
また、保護者の方々にとっては、急な学級閉鎖で仕事の調整が必要になることもあります。自治体のサポート体制を事前に確認したり、職場の理解を得ておくなど、もしもの時の備えをしておくことが、慌てずに対応するための鍵となります。
正しい知識と事前の準備で、インフルエンザ流行シーズンを乗り切りましょう。

 

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