【ジビエ】注意すべき寄生虫~吸虫って何?~
木の葉状の体に吸盤を二つ持つことから、かつて二口虫(にこうちゅう)、ジストマともいわれた吸虫症、畜産被害に限らず人獣共通感染症としての被害も大きくメジャーな寄生虫症として知られていたことでしょう。
吸虫について
吸虫類の多くは第一中間宿主に巻貝類へ寄生し、第二中間宿主である淡水巻貝、甲殻類、魚類などに寄生。その後終宿主又は待機宿主である脊椎動物へといった生活環をたどります。
感染部位は種によって様々で、肝臓、腎臓、肺などに寄生して時に甚大な被害にもなります。
飼料の供給形態の変化や大々的な中間宿主の撲滅運動、駆虫薬の進歩による近年の吸虫症の減少と共に、それに対する対策や知識、警戒も廃れてきたように感じます。
感染力を持つ吸虫症のほとんどが経口感染によるもので、人が摂食する場合はしっかりとした加熱によって感染リスクは低減します。
野生鳥獣からの吸虫症
時代の変化と共に食性の変化も激しい中、食品の安全に対する法律も変化を余儀なくされているのではないでしょうか。
最近ジビエ料理という言葉を耳にするようになりました。お取り寄せ食品にも鹿肉、イノシシ肉などがあり、これらはジビエ肉として販売されています。
ジビエとは「フランス語で食用として捕獲された野生鳥獣のこと」だそうです。
吸虫症と何が関係あるの?という方もいるでしょう。
野生鳥獣は畜産動物と違い、餌や育った環境の管理がされた動物ではないのでその安全性に大きな差が生じます。
そのためジビエを食す上で吸虫症のリスクは拭えません。
知識や対策の不十分なまま調理・摂食したことで、吸虫症を含む様々な感染の事例を度々みかけます。
私たちも吸虫検査を実施しておりますが、そういった記事を見かけるたびに検査する側からなにかアプローチができたのではと考えざるを得ません。
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