食品成分分析の費用はどれくらい?検査項目ごとの費用相場を紹介

食品成分分析の費用は、何を分析するか(検査項目)で大きく変わり、さらに検査会社ごとに料金が異なるため一律に断定できません。

 

目安としては、栄養成分表示(熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量)を目的とした基本セットで1検体あたり1万円台〜3万円程度がひとつの相場です。糖質・食物繊維・ビタミン類・脂肪酸などを追加すると、3万円〜7万円前後、内容によっては数万円〜十数万円以上になることもあります。

 

当記事を作成するにあたって、食品成分分析を行っている検査会社10社を独自で調査し、公開されている情報をもとに食品成分分析の費用をまとめました。「栄養成分表示に必要なセット」「栄養成分表示+食物繊維を任意表示する場合のセット」で費用を比較しましたので参考にしてみてください。

 

調査結果による費用 検査項目
栄養表示に必要なセットの費用相場 7,700円〜23,100円 水分、たんぱく質、脂質、灰分、炭水化物、エネルギー、食塩相当量、ナトリウム
栄養成分表示で必要な項目+食物繊維 33,000円〜51,150円 水分、たんぱく質、脂質、灰分、炭水化物、エネルギー、食塩相当量、ナトリウム、食物繊維

※2025年12月時点、当サイトで独自に調査した結果です。

 

上表を見ると分かるとおり、同じ「栄養成分表示」を目的とした分析であっても、検査会社によって費用には一定の幅があります。これは、分析方法(公定法・簡易法の違い)や測定工程、報告書の内容、検体条件などが各社で異なるためです。

 

なお、上記の費用はあくまで公開情報をもとにした目安であり、食品の種類(液体・粉末・油脂など)や検体量、分析精度の考え方によっては、追加費用が発生するケースもあります。

 

そのため、実際に食品成分分析を依頼する際は、費用だけを見るのではなく、「どの成分を、どの目的で分析するのか」を整理したうえで検査内容を確認することが重要です。

 

当記事では、食品成分分析の一般的な費用相場や、当サイトで調査した検査会社10社の費用まとめを紹介していきます。

 

食品成分分析の費用相場

食品成分分析の費用は依頼内容や検査会社によって差があります。

 

一般的な加工食品で、栄養成分表示(熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量)を目的とする場合、1検体あたり1万円台〜3万円程度がひとつの目安になります。脂肪酸組成・ビタミン群・添加物・機能性成分など分析範囲が広がると、数万円〜十数万円以上になることもあります。

 

「成分分析」と聞くと一律の価格をイメージしがちですが、実際には費用に幅が出やすいです。その理由は、分析項目数や食品の種類だけでなく、どの分析方法を用いるかによって必要な工程や手間が大きく異なるためです。

 

食品成分分析の費用は、主に次のような要素によって変動します。

 

  • 分析する項目数:単項目か複数項目のセットか
  • 分析対象となる食品の性状:液体・粉末・油脂など
  • 分析結果の利用目的:表示用か、参考データか
  • 採用する分析方法の種類

 

この中でも、食品成分分析の費用でとくに差が出やすいのが分析方法の種類の違いです。食品成分分析の方法は、大きく分けて「公定法」と「簡易法」の2種類があります。

 

分析方法 概要 費用感の傾向
公定法 国や公的機関が定めた試験法に基づいて実施される分析方法。分析手順や計算方法が定められており、結果の信頼性が高い。 高め
簡易法 民間検査会社が独自に設定した測定方法や、簡略化された分析手法。短納期・低コストで対応できる場合が多い。 比較的安価

 

公定法は、食品表示基準などで参照される公的に定められた分析方法に基づいて行われます。測定条件や分析工程が細かく規定されているため、再現性や客観性が高く、栄養成分表示の根拠資料として利用しやすい点が特徴です。

 

ただし、分析工程が多いうえに、使用する機器や試薬も限定されることから、分析にかかる費用は高くなる傾向があります。あくまで目安にすぎませんが、複数項目がセットになった公定法分析の場合は1万円台〜2万円台程度が費用相場になります。

 

なお、食品のパッケージやECサイトなどで栄養成分表示を行う目的で食品成分分析を依頼する場合、公定法による分析は、表示根拠として最も一般的かつ説明しやすい方法とされています。

 

一方、簡易法は、民間の検査会社が独自に確立した方法や、公定法を簡略化した手法で行われる分析です。

 

試作品段階での成分把握や社内確認用として利用されることが多い簡易法ですが、分析内容によっては栄養成分表示に用いられるケースもあります。その場合は、分析方法の特性や表示時の取り扱いについて、事前に確認しておくことが重要です。

 

こちらも目安にすぎませんが、複数項目がセットになった簡易法分析では1万円程度が費用相場になります。

 

このように、食品成分分析は目的によって選ぶべき分析方法が異なり、それに伴って費用相場も大きく変わります。

 

「栄養成分表示を行いたい」「社内確認用のデータを取得したい」などの目的を明確にしたうえで、それぞれの分析方法の費用相場を踏まえて検討することが重要です。

 

栄養表示に必要なセットの費用相場

食品成分分析には、大きく分けて単項目で依頼する方法と、複数の分析項目をまとめたセットで依頼する方法があります。水分やたんぱく質などを個別に測定するのが単項目分析であり、複数の成分を一括で測定するのがセット分析です。

 

このうち、特に多く利用されているのが、食品の栄養成分表示を行うために必要な項目をまとめた分析セットです。

 

日本の食品表示では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量といった基本的な栄養成分の表示が求められるため、これらの算出に必要な成分分析を一括で行えるセットが、実務上よく選ばれています。

 

栄養表示向けの分析セットは、検査会社ごとに内容や名称が異なり、必要とされる検体量や分析工程にも差があるため、費用を一律に断定することはできません。

 

とはいえ、一般的な加工食品を対象とした場合、栄養表示に必要な項目をまとめて分析するセットの費用は、概ね1万円台〜2万円台程度が相場とされることが多いのが実情です。

 

そこで本記事では、より具体的な目安を示すために、弊社「株式会社 食環境衛生研究所」を含めた検査会社10社を独自に調査し、各社が公開している情報の価格帯をもとに、栄養表示向け分析セットの費用相場を整理しました。

 

以下は、その調査結果をもとに作成した参考表です。

 

検査会社 分析にかかる費用(税込)
A社 7,700円〜
B社 14,300円〜
C社 22,500円〜
D社 10,450円〜
E社 19,250円〜
F社 18,700円〜
G社 23,100円〜
H社 8,800円〜
I社 23,100円〜
J社 15,300円〜

※2025年12月時点、当サイトで独自に調査した結果です。

 

今回の調査結果をもとにすると、栄養表示に必要なセットの費用は「7,700円〜23,100円」と幅があり、16,320円が平均の費用となります。

 

栄養表示かつ任意表示に必要なセットの費用相場

栄養成分表示に加え、さらに製品特徴として訴求したい成分を表示する場合、いわゆる任意表示用の分析も必要になります。

 

任意表示とは、食品表示基準で義務づけられている項目以外の成分を表示することで、たとえば「糖質」「食物繊維」「ビタミン」などが該当します。

 

任意表示は義務ではなく、情報を提供するための付加的な表示であるため、分析項目も自由度が高く、必要な成分だけを選んで検査するのが基本です。

 

とはいえ、任意表示で利用されることの多い成分については、あらかじめ複数項目をまとめたセットとして提供されているケースも少なくありません。任意表示を含む分析セットの費用は、基本の栄養表示よりやや高くなり、概ね3万円〜7万円前後が相場の目安です。

 

ただし、「どの項目を任意で分析するのか」「分析項目の数はどれくらいか」などによって費用は変わります。

 

そこで本記事では、より具体的な目安を示すために、弊社「株式会社 食環境衛生研究所」を含めた検査会社10社を独自に調査し、各社が公開している情報の価格帯をもとに費用相場を整理しました。

 

今回は任意表示で選ばれやすい「栄養成分表示で必要な項目+食物繊維」のセットで絞り、独自調査した10社の分析費用をまとめています。

 

検査会社 分析にかかる費用(税込)
A社 40,700円〜
B社 52,500円〜
C社 45,100円〜
D社 33,000円〜
E社 51,150円〜
F社 34,562円〜
G社 50,600円〜
H社 48,700円〜
I社 44,000円〜
J社 39,600円〜

※2025年12月時点、当サイトで独自に調査した結果です。

 

表を見て分かるとおり、同じ「栄養成分表示に必要な項目+食物繊維」を含む分析セットであっても、検査会社によって費用には差があることが分かります。今回の独自調査では、最も安いケースで3万円台前半から、条件によっては5万円前後まで、およそ2万円程度の差が見られました。

 

ただし、こうした差は単に「高い・安い」というだけで生じているわけではありません。分析方法、検体量、測定精度の考え方、報告書の内容など、各社が前提としている条件が異なることが費用差につながっているケースも多く見られます。

 

そのため、価格の安さだけで検査会社を選んでしまうと、想定していた表示に使えないデータだったり、追加分析が必要になったりする可能性もあります。

 

食品成分分析の際には費用だけで判断するのではなく、「どの成分を、どのような方法で分析するのか」「その結果を、どの場面で使うのか」といった点を踏まえたうえで、自社の目的に合った検査会社や分析セットを選ぶことが大切です。

 

単項目で依頼する場合の費用相場

食品成分分析は、複数の項目をまとめて分析する「セット分析」だけでなく、特定の成分だけを単独で依頼する「単項目分析」も可能です。

 

すでに一部の分析データを保有している場合や、表示内容の追加・修正に伴って特定の成分だけを確認したい場合など、単項目分析が選ばれる傾向があります。

 

単項目分析の費用は、分析する成分や分析方法によって異なりますが、一般的には1項目あたり数千円〜数万円程度が相場の目安とされています。

 

たとえば、水分や灰分など比較的測定工程がシンプルな項目であれば1万円未満で依頼できるケースもありますが、食物繊維や脂肪酸、ビタミン類などは、1項目だけでも2万円〜5万円前後となることがあります。

 

そこで本記事では、より具体的な目安を示すために、弊社「株式会社 食環境衛生研究所」を含めた検査会社10社を独自に調査し、各社が公開している情報の価格帯をもとに費用相場を整理しました。

 

今回は単項目で依頼されやすい「食物繊維」「糖質」「ビタミンC」で絞り、独自調査した10社の分析費用をまとめています。

 

検査会社 食物繊維分析(税込) 糖質分析(税込) ビタミンC分析(税込)
A社 27,500円 40,700円 15,400円
B社 27,500円 41,800円 12,100円
C社 26,500円 36,300円 11,550円
D社 33,000円 35,244円 12,562円
E社 29,700円 38,500円 13,200円
F社 31,900円 34,800円 11,550円
G社 28,600円 39,600円 12,100円
H社 35,200円 42,900円 14,300円
I社 30,800円 37,400円 13,750円
J社 32,450円 40,150円 14,850円

※2025年12月時点、当サイトで独自に調査した結果です。

 

表のとおり、同じ単項目分析であっても、分析項目ごと・検査会社ごとに費用には差があることが分かります。特に、食物繊維や糖質のように分析工程が複雑な項目では、3万円台前半から4万円台後半までと、1万円以上の価格差が生じるケースも見られました。

 

そのため、単項目分析は「金額を横並びで比較しにくい」という特徴があります。一見すると同じ「糖質分析」「食物繊維分析」であっても、「実測値なのか計算値なのか」「公定法ベースなのか、簡易法なのか」といった点が異なれば、用途や使い道にも差が出てしまいます。

 

単項目分析を依頼する際は、費用だけで比較するのではなく、どのような方法で、どこまでの精度を想定した分析なのかを確認することが重要です。

 

食品成分分析を依頼した場合の費用シミュレーション

食品成分分析の費用は、分析する項目数や内容によって大きく変わります。さらに、同じ分析内容であっても、検査会社ごとに料金体系や分析方法が異なるため、事前に全体像を把握しておかないと費用感をつかみにくいのが実情です。

 

そこでここからは、ここまでに紹介した独自調査の結果をもとに、「どのような分析を依頼すると、どの程度の費用になるのか」をシミュレーションしていきます。

 

なお、以下の金額は、これまで紹介してきた検査会社の価格帯や市場相場をもとにした目安であり、実際の費用は食品の種類や分析方法、検体量などによって前後する点にはご留意ください。

 

食品の栄養表示をするために分析をする場合の費用目安

食品のパッケージやECサイトなどで栄養成分表示を行う場合、基本となるのは「熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量」など、食品表示基準で定められた項目の分析です。

 

検査会社10社を調査した結果、栄養表示に必要な分析費用は、最も安いケースで7,700円程度から、高いケースでは2万円台前半までと、検査会社によって幅があることが分かります。

 

今回の調査結果を踏まえると、食品の栄養表示を目的とした分析費用の目安は、概ね1万円〜2万円前後と考えておくと現実的です。

 

栄養表示+「糖質ゼロ」と任意表示をするために分析する場合の費用目安

食品の栄養成分表示に加えて、「糖質ゼロ」といった任意表示を行う場合は、基本となる栄養表示項目に加え、糖質に関する分析を含むセットを依頼するケースが一般的です。

 

糖質ゼロ表示は訴求力が高い一方で、表示の根拠となる数値の扱いが重要になるため、栄養表示のみの場合と比べて分析内容が増え、費用も高くなる傾向があります。

 

検査会社10社を調査した結果、栄養表示+「糖質ゼロ」と任意表示をするための分析費用は、最も低い価格帯で3万円台前半から、5万円台前半までと、検査会社によって費用に幅があることが分かります。

 

今回の調査結果を踏まえると、栄養表示+「糖質ゼロ」といった任意表示を行うための分析費用の目安は、概ね4万円〜5万円前後と考えておくのが現実的です。

 

栄養表示+食物繊維を任意表示をするために分析する場合の費用目安

食品の栄養成分表示に加えて、「食物繊維」を任意表示する場合は、基本となる栄養表示項目に加え、食物繊維の専用分析を行う必要があります。

 

食物繊維は義務表示項目ではありませんが、健康志向の商品では訴求力が高く、任意表示として追加されるケースが多い成分のひとつです。一方で、食物繊維は炭水化物とは別に測定される成分であり、分析工程が比較的複雑なことから、栄養表示のみの場合と比べて費用が高くなる傾向があります。

 

検査会社10社を調査した結果、栄養表示+「食物繊維」と任意表示をするための分析費用は、最も低い価格帯で3万円台前半から、5万円台前半までと、検査会社によって費用に幅があることが分かります。

 

これを踏まえると、栄養表示+食物繊維を任意表示するための分析費用は、概ね3万円〜5万円前後を目安として考えておくのが現実的です。

 

栄養表示+ビタミンCを任意表示をするために分析する場合の費用目安

食品の栄養成分表示に加えて、「ビタミンC」を任意表示する場合は、基本となる栄養表示項目に加え、ビタミンCの単項目分析を追加で依頼するのが一般的です。

 

ビタミンCは、健康訴求との親和性が高く、比較的表示目的が明確な成分であることから、任意表示の中でも追加されやすい項目のひとつです。

 

参考表として示した単項目分析の費用を見ると、ビタミンCの分析費用は、おおむね1万円台前半から1万5,000円前後に収まっているケースが多く、糖質や食物繊維と比べると、追加コストは比較的抑えやすい傾向があります。

 

これを踏まえると、栄養表示のみの分析費用(約1万円〜2万円前後)+ビタミンCの単項目分析(約1万円〜1万5,000円前後)を組み合わせた場合、栄養表示+ビタミンCを任意表示するための分析費用は、概ね2万円台後半〜3万円台前半を目安として考えておくとよいでしょう。

 

食品環境衛生研究所の食品成分分析の費用

これまで、食品成分分析の費用相場や、栄養成分表示・任意表示を目的とした分析内容について解説してきましたが、実際にどのような分析が、どの程度の費用感で依頼できるのかは、検査会社ごとの対応内容を見てみないと分かりにくい部分もあります。

 

そこでここからは、弊社「株式会社 食品環境衛生研究所」が提供している食品成分分析について、実際に対応している分析内容と、その費用の目安を具体的にご紹介します。

 

当研究所では、「栄養成分表示を目的とした基本的な分析」「食物繊維などを含めた任意表示向けの分析」「特定の成分のみを確認したい場合の単項目分析」など、食品の表示目的や開発段階に応じた分析に対応しています。

 

ここからは、当研究所で依頼の多い代表的な分析内容について、分析セットごとの費用目安を順にご紹介します。

 

栄養成分表示の分析セットの費用

食環境衛生研究所で提供している栄養成分表示の分析セットは下記の通りです。

 

セット 分析方法 検査項目 費用(税込)
栄養成分表示 Aセット 公定法 水分、たんぱく質、脂質、灰分、炭水化物、エネルギー、食塩相当量(ナトリウム) 13,200円
栄養成分表示 Cセット 簡易法およびイオン電極法 水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギー、食塩相当量(ナトリウム) 7,700円
栄養成分表示 Dセット 簡易法 水分、たんぱく質、脂質、炭水化物、エネルギー 5,500円

 

これらの栄養成分表示向け分析セットは、表示目的や必要な精度などに応じて選択できるようになっています。

 

たとえば、栄養成分表示Aセットは、公定法による分析を採用しており、表示根拠としての信頼性を重視したい場合に適しています。食品のパッケージ表示や、取引先・関係機関への提出資料など、分析方法を明確にしておきたいケースで多く利用されています。

 

一方、栄養成分表示 Cセットは、簡易法およびイオン電極法を用いた分析セットで、基本的な栄養成分表示に必要な項目を一通りカバーしています。

 

費用を抑えつつ栄養成分表示に必要な数値を把握したい場合や、試作品段階・小ロット商品の表示検討など、スピードや費用を重視した用途で選ばれることが多いセットです。

 

さらに、栄養成分表示 Dセットは、簡易法による主要項目に絞った内容となっており、栄養成分表示の事前確認や、社内資料用のデータ取得など、参考値として栄養バランスを把握したい場合に適しています。表示項目を限定することで、費用を抑えながら分析を行える点が特徴です。

 

なお、食環境衛生研究所では、依頼内容や表示目的を確認したうえで、必要以上に分析項目を増やすことなく、目的に合ったセットのご提案も行っています。どのセットを選ぶべきか迷う場合でも、事前に相談することで、用途に合った分析内容を検討することが可能です。

 

栄養成分表示+食物繊維の分析セットの費用

食環境衛生研究所では、栄養成分表示+食物繊維の分析セットもご用意しております。

 

セット 分析方法 検査項目 費用(税込)
栄養成分表示 Bセット 公定法 水分、たんぱく質、脂質、灰分、炭水化物、エネルギー、食塩相当量(ナトリウム)、食物繊維、糖質 40,700円

 

栄養成分表示 Bセットは、基本的な栄養成分表示に必要な項目に加え、食物繊維および糖質までを含めて一括で分析できるセットです。

 

公定法による分析を採用しているため、表示根拠としての信頼性を重視したい場合や、パッケージ表示・ECサイト・取引先向け資料などに使用する数値を取得したい場合に適しています。

 

食物繊維は、栄養成分表示の義務項目ではないものの、健康志向の商品では訴求力が高く、任意表示として追加されるケースが多い成分です。一方で、食物繊維は分析工程が比較的複雑で、単項目で依頼した場合でも費用が高くなりやすい傾向があります。

 

費用は40,700円(税込)と、栄養成分表示のみのセットと比べると高くなりますが、食物繊維・糖質を単項目で追加した場合と比べると費用を抑えた設計です。

 

とくに、「栄養成分表示+食物繊維」を前提とした商品設計を行っている場合には、最初から本セットを選択することで、再分析や追加費用を避けやすくなります。

 

栄養成分分析の単項目の費用

食環境衛生研究所では、栄養成分表示や任意表示、品質管理、研究用途など、目的に応じて幅広い単項目分析に対応しています。

 

すべての分析項目を一律に掲載すると分かりにくくなるため、ここでは利用目的ごとに代表的な単項目を整理してご紹介します。

 

なお、単項目分析は「何を表示・確認したいのか」という目的によって選び方が大きく異なります。必要な成分だけを選んで分析できる単項目分析を活用することで、不要な費用を抑えながら、目的に合ったデータ取得が可能になります。

 

任意表示で利用されやすい単項目の費用

任意表示を行う際には、すでに基本的な分析を終えており、特定の成分だけを追加で確認したいというケースも多く見られます。下表は、そのような場面で依頼されやすい代表的な単項目分析です。

 

検査項目分析方法費用(税込)
食物繊維プロスキー法(酵素-重量法)27,500円
糖質炭水化物・食物繊維の分析値から算出40,700円
ナトリウムICP発光分析法/原子吸光光度法5,500円
エネルギー修正アトウォーター法13,200円

 

これらの項目は表示内容に直結するため、必要な成分だけを単項目で依頼することで、費用を抑えながら柔軟に対応できます。

 

糖質・糖類に関する単項目の費用

低糖質・糖質ゼロなどの表示を検討する場合、「糖質量を知りたいのか」「特定の糖類を確認したいのか」によって、必要な分析が異なります。下表は、糖質・糖類に関する主な単項目分析です。

 

検査項目分析方法費用(税込)
糖質算出(炭水化物・食物繊維)40,700円
単糖類・二糖類(1成分)HPLC法13,200円
糖類検査・分析(6種セット)HPLC法27,500円

 

表示目的に応じて分析内容を選択することで、過不足のないデータ取得が可能になります。

 

脂肪酸・脂質に関する単項目の費用

脂肪酸や脂質の分析は、健康訴求や品質管理を目的として依頼されることが多い項目です。下表は、代表的な脂肪酸関連の単項目分析をまとめたものです。

 

検査項目分析方法費用(税込)
飽和脂肪酸GC-FID法(AOAC 996.06)38,500円
不飽和脂肪酸GC-FID法(AOAC 996.06)38,500円
トランス脂肪酸GC-FID法(AOAC 996.06)27,500円

 

これらの分析は専用機器を用いるため、他の単項目と比べて費用が高くなる傾向があります。目的を明確にしたうえで項目を選ぶことが重要です。

 

ビタミン類・ミネラル類に関する単項目の費用

ビタミン類やミネラル類は、栄養強調表示や栄養設計の確認を目的として追加されることがあります。下表は、比較的依頼の多い代表的な単項目分析です。

 

検査項目分析方法費用(税込)
ビタミンC(アスコルビン酸)HPLC法15,400円
ビタミンB1(チアミン)HPLC法16,500円
カルシウムICP発光分析法5,500円
ICP発光分析法5,500円

 

1項目単位で依頼できるため、表示したい成分だけを選択しやすい点が特徴です。

 

研究・品質管理・開発用途で利用される単項目の費用

表示目的以外にも、研究・品質管理・製品開発を目的とした分析ニーズがあります。下表は、このような用途で利用される代表的な分析項目です。

 

検査項目分析方法費用(税込)
アミノ酸分析(18種)アミノ酸分析法/HPLC法66,000円
ポリフェノール吸光光度法22,000円
水分活性電気抵抗式機器5,500円
酸価(油脂)滴定法2,200円〜4,950円

 

これらの分析は、検体条件や目的によって内容が変わるため、事前に相談しながら進めることで、無駄のない分析が可能です。

 

まとめ

食品成分分析の費用相場は、栄養成分表示のみを目的とした分析であれば1万円〜3万円前後、糖質や食物繊維などを含めた任意表示まで行う場合は3万円〜5万円前後がひとつの目安となります。

 

さらに、脂肪酸やビタミン類、専門的な成分分析を追加する場合には、内容によって数万円以上になるケースもあります。

 

このように、食品成分分析の費用は一律ではなく、分析する項目の数や種類、分析方法、検査会社の対応内容によって大きく変わります。そのため、単純に価格だけで比較するのではなく、「どの成分を、どの目的で分析するのか」を整理することが重要です。

 

栄養成分表示を行うだけであれば、必要な項目がまとまった分析セットを選ぶことで、費用と手間を抑えやすくなります。一方で、糖質・食物繊維・ビタミン類などを任意表示する場合には、表示内容に応じて追加分析が必要となり費用も増えていきます。

 

また、すでに一部の分析結果を保有している場合や、特定の成分だけを確認したい場合には、単項目分析を活用することで、不要な分析を省くことが可能です。単項目分析は種類が多いため、目的に合った項目を選ぶことが大切です。

 

食品成分分析を依頼する際は、費用相場を把握したうえで、表示目的や必要な精度を踏まえて分析内容を選択することが、無駄のない分析につながります。事前に相談しながら進めることで、自社の商品や用途に合った食品成分分析を行いやすくなります。

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